山内 泰次

「御蒔絵」は、漆への尊敬と自負の表れ。

御蒔絵おんまきえやまうち 山内 泰次やまうち やすつぐ(蒔絵師)

祖父の代から伝統の技法で手仕事にこだわったものづくりをしています。
工房名の「御蒔絵(おんまきえ)」には、蒔絵に対する尊敬の気持ちと本物の蒔絵を描いているという自負を持って名付けました。器は使い手によって完成します。お客様との出会いを楽しみにしております。

山内さんのこと

伝統の技と心を守る山内泰次さんは、1956年、会津若松市生まれ。
100以上年続く「御蒔絵やまうち」の3代目です。
高名な漆芸家だった父・清司さんの姿を見て育った山内さんは、会津の高校を卒業後、東京の大学へ進学し、そのまま都内で営業の仕事をしていました。転機は25歳の時、漆の道を継ぐことになり、会津若松に戻り、5年間、市内の工房で修業を積みました。この修行時代が山内さんの原点だと話します。
昔は、1年間の御礼奉公(おれいほうこう)の後、31歳で独立。
その後、最年少で会津漆器新作総合展示会・福島県知事賞を受賞。1998年には、当時36歳の時に、産地で最年少の伝統工芸士にもなりました。
山内さんの鮮やかな蒔絵が施された器は各方面から評価が高く、全国育樹祭にて皇太子に献上されたほどです。
約15年前から「東京ドーム・テーブルウェア・フェスティバル」にも出店し、その器の美しさに惹かれるファンは多く、女優の石田ひかりさんやリサ・ステッグマイヤーさんもご贔屓にされています。
また、山内さんは産地の若い職人さんたちの支援にも積極的で、山内さんの工房で修業を積んだ2人の女性は、それぞれ独立して活躍しています。
「漆の一滴は血の一滴」という言葉を胸に、本物であることにこだわった仕事を続ける山内さんは、漆とお酒をこよなく愛する、気構えのかっこいい職人さんです。

山内さんのこと 山内さんのこと

山内さんのうつわ

山内さんのギャラリーは、工房にある階段をあがった2階にあります。
そこは、色とりどりの蒔絵が踊る空間で、訪れた方は「わー!」という歓声をあげます。
山内さんの器は、色彩豊かな蒔絵が施された華やかさとモダンさが特徴です。
日常の器から茶道具・アクセサリーまで厳選された木製・本漆・手塗りの品に、伝統的な様々な技法を駆使して、全て手描きで蒔絵が施されています。
特に、山内さんの代表作である四季の野草をあしらった「四季草花」シリーズは、一度見たら忘れられないような、オリジナリティに溢れています。
草花を育てるのが趣味の山内さんらしい絵柄です。
そんな山内さんの器は、普段使いはもちろんのこと、お客様が来た時のおもてなしの器として使っていただいたり、家族のお祝いの日に使っていただくと、ハレの日がさらに華やぐことでしょう。
また、麻糸をぐるぐる巻きにして器体にした「麻糸乾漆」シリーズのお猪口や小皿は、とても軽くて丈夫な器で、愛用されている飲食店の方が、「十数年使っても、ほとんど痛まない」と仰るほどです。

山内さんのうつわ 山内さんのうつわ

山内さんの工房

山内さんの工房は、昭和初期から続く蔵づくり。一歩足を踏み入れると、なんだか神聖な気持ちが湧いてくる場所です。
小さな小鉢に分けられた色とりどりの漆、猫の毛で作られているという沢山の蒔絵筆、様々な種類の金粉、そして、作業台となる「定盤(じょうばん)」には長い間に漆が幾重にも重ねられていて、山内さんが職人として歩んできた長い年月を感じさせます。
蒔絵とは、その言葉の通り、漆器の表面に漆で絵や文様を描き、そこに金や朱などの粉を「蒔く」技法です。
山内さんにお話をお伺いすると、一番難しいのは、漆の乾き具合のタイミングを見極めることだそうです。漆がまだ乾いていない状態だと、粉が漆の中に沈んでしまい、色がくすんでしまいます。逆に乾きすぎていると蒔絵が器体に定着しません。
山内さんは長年の経験と勘を頼りに、漆の色の変わり方や息を吹きかけて、その色を見極めて、ベストタイミングで模様を浮かび上がらせていきます。
さらに、技法によって使う漆の種類も、その調整の仕方も変えているそうです。
工房の中で、口を真一文字に結び、真剣な眼差しと繊細な指先で筆を走らせる山内さん。
思わず、見ているこちらまで息を止めて見入ってしまうような瞬間です。
現代の漆器は、残念ながら、中国製品、化学塗料を塗って漆風に見せたもの、スクリーンによる大量生産の絵付けのものなどが溢れているのが現状です。
「でも、そういう時代だからこそ、手仕事にこだわり、本物をお客さんに伝えていきたい」と山内さんは語ります。
工房にいる山内さんの姿からは、その真髄を感じていただけるはずです。

山内さんの工房 山内さんの工房

テマヒマうつわ旅だけの制作体験

本物の漆を用いた蒔絵体験をしてみよう!

料金:5,500円(送料込み)/1人、所要時間:約2時間

工房の中で、山内さんが直接指導する蒔絵体験。
木製・本漆・手塗りの器(皿かお椀)に、蒔絵をしてみませんか?
通常の蒔絵体験は、カシュー塗料などの代用品を用いる場合がほとんどですが、本物の漆を使った蒔絵体験をしていただけます。
何を描くか事前にイメージしてみてください。アイディアが思い浮かばない場合には、工房にある画帳の中から選んでいただけます。
出来上がった作品は、後日ご自宅まで発送致します。

漆のかぶれやすさは個人差があります。
作業に際しては、漆に直接触れないように、工房で前掛けとゴム製手袋を準備いたしますが、お肌の弱い方や漆かぶれが心配な方は、参加をご遠慮ください。

御蒔絵やまうち

御蒔絵やまうち

所在地:会津若松市大町1-5-23
訪問可能時間:9:00~17:00

工房でできること:

  • 工房見学
  • お買いもの
  • 制作体験
  • オーダーメイド
  • 漆器修理

紹介している工房は、お客様の受け入れを常時しているところばかりではありません。
そのため、各工房に直接連絡されることはお避けいただき、必ずこのページからお問い合わせ・お申し込みいただきますよう、お願い致します。

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