うるしスイッチ:“漆器”を通じて豊かさの「ものさし」を問い直す – 漆とロック代表 貝沼 航

投稿日:2016年12月2日(金) カテゴリ:うるしるコラム , 漆器「めぐる」ニュース

こんにちは。漆とロック代表の貝沼です。
弊社は、私たち自身の存在理由、つまり「何のために漆とロックは存在しているのか?」という問いかけを大事に考えています。そしてそれに対する答えとして、下記のミッションを掲げています。

【人と自然が関わり合う“漆”を通じて、現代的な豊かさの「ものさし」を問い直し、大量消費を脱却する“私たち”のあり方を提唱していく。】

これが漆とロックの活動において一番大切にしている原点であり、私たちの哲学のようなものですが、それについてたっぷりお話したのが下記のインタビュー記事です。
素晴らしいインタビュアーさんのお陰で、自分でも今までで一番分かりやすくまとまっていると思います。(この記事は、弊社も参画している「東北オープンアカデミー」で特集された際のものです。)

漆とロックの活動における「背骨」と言える内容ですので、ご興味のある方はご覧いただければ幸いです。

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漆とロック・貝沼航インタビュー
『“漆”を通じて豊かさの「ものさし」を問い直す』

(取材・撮影・編集:ヘキレキ舎・小松理虔氏

伝統工芸の町、福島県会津地方。数ある伝統産業の中で、漆器産業の衰退は年々深刻さを増している。「このままでは、古き良き会津の伝統が失われてしまう」。そんな気持ちで、漆器産地のガイドツアー「テマヒマうつわ旅」や新しい漆器ブランド「めぐる」を展開し、漆器を作る人と使う人のつなぎ直しに奔走しているのが、漆とロック株式会社の貝沼航さんだ。貝沼さんは「漆器には日本人本来の豊かさが込められている」という。貝沼さんはなぜ「漆器」に賭けたのか。そして、漆器から私たちは何を学ぶことができるのか。話を伺った。

漆とロック貝沼航

―伝統工芸の作り手(職人)の姿に惚れて起業
大学卒業後に就職がきっかけで会津に来たのですが、様々活動する中で、この地に残る伝統工芸に触れ、職人さんたちの工房にお邪魔させていただいたのが最初のきっかけでした。その時はかっこ良いとか、素晴らしいとか、単純な気持ちしかなかったんですが、学べば学ぶほど、会津の伝統工芸が抱える課題が分かってきたんです。中でも漆器は最も変革が起こりづらい状況に見えました。そもそも漆器が現代人の生活から離れてしまっているし、昔からの流通の慣習がアップデートできておらず古い体制が残ったまま。会津全体での漆の売り上げも、最盛期から比べて7分の1以下にまで落ち込んでいますし、職人の数もかなり減っていました。とにかく課題要因が絡み合っている産業なんですよね。でも、課題が多い分、取り組む価値が大きいと思うし、何とかチャレンジして「解き方」を見出していきたいなと思いました。と言っても、やっぱり漆そのものの魅力に引かれたというのが、動機としては一番大きいかもしれません。「なんで、こんな素敵で面白いものがなくなろうとしているんだろう?」というシンプルな思いが、やっぱり自分のベースにありますね。

冨樫孝男

―貝沼さんが語る、漆の魅力
皆さんあまり気づいていないかもしれないんですけど、漆はすごいですよ、本当に。自分が持っている「価値」の時間単位が変わってきますから。日本人の平均的な食器の買い替え年数は3~4年と言われているんですが、漆器は10年~15年くらいは最低でも使えますし、表面が傷んできても、塗り直しをすれば、新品同様に生まれ変わり、さらに長く使うことができます。購入する時の価格は、何千円もするので高いように思えますが、子の代・孫の代に渡っていいものを丁寧に使うことができるという時間とその豊かさを考えると、決して高くはないんです。それに、手仕事の漆器は使えば使うほど手になじんで美しさが増してくるのがいいですね。いい漆器は、自然に所作を丁寧にしてくれて、暮らしを静かにしてくれるものだと思います。
漆の器は、木の国である日本で、縄文時代の日本人が生み出した素晴らしい発明だと思います。

漆器

―漆器の時間軸は、地球のサイクルそのもの
漆器を作るには、1人の職人では出来ません。木材を器の形にする「木地師」、そこに漆を塗る「塗師」、そして装飾を施す「蒔絵師」という最低でも3工程の職人の手を経て、それぞれの職人が「手間ひま」をかけて完成します。また、漆塗りに使われる漆の液は、成長した漆の木の表面に傷をつけて採るのですが、1本の漆の木を育てるのに15年ほどかかります。この15年という時間は、暮らしの中で使い続けた漆器が、ちょうど塗り直しが必要になってくるタイミングとほとんど同じなんです。また、漆器の木地を採る木も、樹齢50年〜100年のものを使いますが、漆器の耐用年数も同じくらいの時間です。塗り直しが必要になったときには、漆の木が育ち、新しい器が必要なったときには、ちょうどよく木が育っていることになります。つまり、漆器の時間軸は木材の成長サイクルとリンクしているんですよ。ですから、漆器を使うことは、自分の生活を地球のサイクルに近づけていくことにつながると言っていいかもしれません。

テマヒマうつわ旅

―原発事故を体験したからこそ、取り戻すべき「不便さ」
震災後よく考えるのは、私たちの追い求めてきた豊かさの「ものさし」についてです。私たちは、食べること、買うこと、使うこと、いろんなところで「便利さ」や「快適さ」を追い求めてきました。それが豊かさの尺度になっていた。ところが、その「便利さ」や「快適さ」の象徴のような原子力発電所が事故を起こしてして、こんなにもうろたえている僕たちがいる。大量生産・大量消費のシステムは、人と人とのつながりや時間の重みを排除することで効率化、合理化してきましたが、私たち自身、その便利さや快適さに誰も責任を負わずにやってきてしまった面があったと思うんです。そして、その問題が今こうして露になっている。ですから、震災後は特に「不便さを取り戻すこと」が大事だと考えるようになりました。不便さ、つまり「手間ひま」の価値を取り戻し、自分の中の豊かさの「ものさし」をもう一度作り直すことが大事なんじゃないかと。

漆器工房

―五感に訴える「テマヒマうつわ旅」
私が今取り組んでいる「テマヒマうつわ旅」という事業は、漆器の作り手に直接会いに行く旅のプログラムです。これは、趣旨に賛同してくださっている10程度の工房と共に取り組んでいます。職人さんの日常にお邪魔し、漆器づくりの様子を見学できたり、作り手と直接言葉を交わすことができます。この「対話」という要素を一番大事にしています。もちろん、作り手から直接器を購入したり、オーダーメイドの注文をすることもできます。その他、お客さんの要望に応じて、職人さん直伝の制作体験をしたり、市内の飲食店で漆器を使った食事もすることもできます。直接言葉を交わして、工房の雰囲気や木の香りを味わいながら、五感を使って「体験」していくことが、その人の「身体感覚」として記憶される。だから、旅が終わってそれぞれの生活の場に戻った後も、漆器を使う度に旅の記憶が甦って、職人の顔が思い浮かんだり、器に思いを寄せたりすることができるんだと思います。食器とそういう付き合いができるというのは「豊かさ」のひとつだと思うんですね。

テマヒマうつわ旅

―身体感覚を取り戻すことで狭まる距離感
参加した方からは「漆器がこれほどまでに面白いものだったとは」とか、「使うたびに職人さんの顔が思い浮かぶようになった」、「すばらしい映画を見終わったような充実感があった」など、とてもよい反応を頂いています。やはり、身体感覚として記憶されているからだと思います。今までの大量生産・大量消費の流通構造では、使い手がものづくりの現場に行き、そこで身体感覚を得るなんてことはできませんでした。販売に至るまでに流通の高い壁が何重にもあって、作り手の顔や思いが見えにくくなっていたからです。逆に作り手の方も使い手の顔が見えなかった。この事業によって、その壁を壊していくことに切り込んでいきたいと思っていますし、テマヒマうつわ旅というチャレンジによって、作り手と使い手の距離を少しずつ縮めていくために必要なことが見えてきたかなと感じています。

漆とロック貝沼航

―内省の時間を生み出す「うるしスイッチ」
テマヒマうつわ旅は、表面的に言えば「工房ツアー」なんですが、僕は決して観光サービスをやりたい訳ではないし、お客さんにとっても、この旅の時間は単なる楽しさだけではなくて、実は「内省」の時間になっているんだということを改めて感じています。ただ器のことを知るだけではなく、自分の生き方、そして豊かさとは何なのか、そんなことを考える時間になっているんです。僕はこれを「うるしスイッチ」と呼んでいます。ツアー中にこのスイッチが入ると、価値の基準についてもう一度考え直す静かな内省的な時間に変化していきます。それが起きるのは、50年、100年という「漆の時間軸」があるからこそなんです。

漆器工房

―会津、そして東北の豊かさとは
会津の冬は厳しく、たくさんの雪が降ります。雪が降る時期は、外に出ることができないので気持ちが内側に向いてくるんですが、それがまさに「内省」の時間になるんですね。そして、そういう冬の時間があるからこそ伝統工芸が生まれ、続いてきたんだと思います。以前、奥会津の只見の方が「雪というのは豊かさそのものなんだ」とおっしゃっていました。雪があるから落葉があり、豊かな土壌ができ、その雪によって水資源がもたらされ、秋の実りが生まれるわけですよね。実は東北地方には縄文遺跡が多いんですが、縄文人はその豊かさを本能的に理解していたんだと思います。だって、現代人が生きにくいと思っている雪深い東北にこそ縄文人が生きてきたわけですから。

蒔絵師

―「手間ひま」こそ、東北の醍醐味
僕の考える東北らしさもそういう「手間ひま」です。雪によって閉ざされながらも、その内省的な空間の中で脈々と手仕事が受け継がれてきました。そして、雪の恵みが水となって豊かな土を作り、米が作られ、そしてその米によって酒が生まれる。その酒は、豊かな実りと人々を繋げてくれるわけです。米を作るにも酒を作るにも大変な手間ひまがかかりますが、そういう手間ひまにこそ、「ものづくり」というか「生産する」ことの神髄が隠されているんだと思います。東北を旅するということは「暮らしの源流を辿ること」だと思うんですね。これは東北に限らず「地方」と言い換えてもいい。「地方」は、工芸品に限らず、人が生きるうえで必要なものをたくさん作ってきました。「作る」ということは生活の基盤を作ることです。しかし一方で、都市はそれを消費するだけになってしまっていた。つまり生産と消費が切り離されていたんだと思うんです。そこに起きたのが、あの原発事故でした。やはり、消費と生産をもっと近いものにして「みんなが作る人になる」ことを目指さないといけないと思うんですね。

漆の植栽活動

―東北に満ちあふれている、サバイバル感
東北で震災が起きたということは、やはり日常が揺らいだということだと思います。そして日常が揺らぎ、これまでの便利や快適というシステムが崩れかけたときに、私たち人間が本来持っている「生存本能」というか「サバイバル感」が出てきていると思います。戦後の復興があれだけエネルギッシュだったのは、やっぱり厳しい時代を乗り越えようというむき出しのサバイバル感があったからだと思うんです。そして今、そのサバイバル感に溢れているのが東北です。便利な生活を失ってみて初めて出てくるような生存本能が東北には満ちあふれている。東北を訪れることで、私たちが失いかけている生存本能、自然に対する感覚、そして日常を問い直す感性を取り戻すことにつながると思います。
さらに言えば、「日本人の生き方をもう一度作り直す」ということを提案したいと考えています。福島にある東京の原発が事故を起こし、そこだけ見れば被災地ですが、そうではない、事故があったからこそ見つめ直したもの、そこから立ち上がってくる新しい価値があると思うんです。それが、私にとってはまさに「漆」です。漆が持つ力、そして職人さんたちの言葉は、私たちに新たな価値を示してくれると思っています。

漆器めぐる

―今の時代だからこそ発表した会津の本物ブランド「めぐる」
暗闇のソーシャルエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」とのコラボレーションによって誕生した『めぐる』という漆器があります。視覚障がい者の女性たちが持っている指先の触覚、唇の感覚を「プロフェッショナルな感性」と捉え、ものづくりに活かしたものです。『めぐる』という名前は、使う人の家族の中でめぐっていくということ、そして使う人と作る人の間でめぐり続けることという2つの意味がこめられています。使い始めて15年後くらいに必要になるであろう漆の塗り直しは、職人のお弟子さんにお願いします。今のうちから15年後の仕事を作ることで、仕事がめぐっていくわけです。売り上げの一部は、漆の植樹のために寄付されるシステムにしました。これも、漆のある暮らしを次の世代にめぐらせていきたいからです。そして、お椀自体も、子の代、孫の代にまでめぐっていく。やはり漆器は商品があってこそ。魅力ある商品から広がる価値も伝えていきたいと思います。(「めぐる」公式サイト : http://meguru-urushi.com/

テマヒマうつわ旅

―Urushi is Rock!!
漆器は、一見すると想像できませんがとても「ロック」な商品です。効率や合理性を追い求めるのではなく、頑で、プライドがある。そんな漆ノ器に出会い直しに、是非会津にお越しください。また私が各地に出向いての講演やワークショップも行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
漆とロックへのお問い合わせは、こちらのサイトから。

 

IMG_5014 のコピー

漆とロック株式会社(Urushi Rocks Inc.) 代表 貝沼 航
1980年福島県福島市生まれ。東京の大学を卒業後、会津若松市に移住。サラリーマンをしていた25歳の時に、縁があり訪れた工房で漆器づくりの現場に魅せられ、職人さんたちを応援したいと会社を辞めて起業。2015年、世代を超えて受け継いでいく「人生のお守り」をテーマにした漆器ブランド『めぐる』を販売開始。同年、グッドデザイン賞とウッドデザイン賞・審査委員長賞を受賞。また、木と漆という天然資源の魅力や職人さんたちの手仕事の意味を実際に現場で体感してもらう産地ツアー「テマヒマうつわ旅」を展開。NPO法人はるなか・漆部会の副代表として国産漆の森の再生活動にも力を注いでいる。漆と人を繋ぐコミュニケーターとして、全国をまわり漆器のある暮らしの豊かさについて講演やイベントも行っている。貝沼航Facebook

はるなか漆部会で漆の木の植栽を行いました

投稿日:2014年11月30日(日) カテゴリ:うるしるコラム , 会津での漆の植栽活動

本日は、会津若松市内による「御山植栽地」にて、ウルシノキの植え付けを行いました。

10年に渡って、会津で900本ほどのウルシノキを育てている「NPO法人なるなか・漆部会」での活動です。

茨城県の大子町より購入した6ヶ月目の漆の苗木です。分根法という方法で育てられています。
ウルシノキの苗

3mの間隔で植え付けを行っていきます。
作業風景

一つ一つ手で植えていきます。元気に育ちますようにと、祈りを込めながら。
漆の木の植え付け

今日も作業後には、みんなで屋外お昼ごはん。今日も最高に美味しい!
昼食風景

動画バージョンも是非ご覧ください。

はるなか漆部会では、こんな雰囲気で、いろんな世代が集まって、みんなでワイワイ楽しく作業しています。

今年の現場作業はこれで終了ですが、また来年の春から作業再開しますので、その際にボランティアも新たに募集したいと思います。ご興味のある方は、はるなか漆部会のFacebookページも是非「いいね!」してくださいね。

今回、自分自身、実際にウルシノキを植えてみて、さらに漆に対して愛情が増した思いがしました。

そして、粘土質の土ってこんなに重いのかとか、水はけって大事なんだなーとか、土を掘り返すのに石ころがこんなに邪魔だとは・・・と実感して、普段何気なく見ている田んぼや畑も、先人、そして農家さんの大変な努力によって出来ているのだなーと感じたのでした。

漆の実の生る季節になりました

投稿日:2014年11月1日(土) カテゴリ:うるしるコラム

会津の漆の植栽地でのヒトコマです。

漆の実

今年は、会津では漆の木がほとんど実をつけない年でしたが、それでも何本かの木には、沢山の実が生っていました。

漆の実の生る頃

「そうだよね、君みたいな、みんなと一緒じゃないやつがいるから、命は繋がれていくんだね。」と、思わずつぶやいてしまいました。

冬ももうすぐですね。

テマヒマうつわ旅のロゴマークに込めたもの

投稿日:2014年7月21日(月) カテゴリ:うるしるコラム

3連休の最終日、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

今日は、このテマヒマうつわ旅のロゴマークに込めた意味について、ご紹介したいと思います。

テマヒマうつわ旅ロゴマーク

このロゴマークは、「テマヒマ」の「テ」と「ヒ」を、食卓に並ぶ器を模すように表現しました。

滑らかに描くラインは、空間を流れるゆったりとした時間をイメージしています。

また、左右がそれぞれ人にも見えることから、作る人と使う人の出会いという意味も込めています。

それは、瞬間的な出会いというだけでなく、うつわとして形が出来上がるまでにかけられてきた人の手と時間(テマヒマ)、そしてこれから使い手である貴方がかけていくであろう時間(テマヒマ)の出会いでもあります。

作る人と使う人、双方の「テマヒマ」によって本当の意味でうつわは完成すること。その意味で、作る人と使う人がハッキリと分けられるのではなく、それらは地続きであるという想いを込めています。

そして、中央に「Tema Hima」と縦書きされたものは、例えば「モッタイナイ」や「カワイイ」という日本語が他の言語では代替不可能で海外でも“mottainai” “kawaii”と表現されるように、「手間暇をかける」という日本人が持つ美しい価値観を世界に広げ、大量生産・大量消費の時代を終えて、次の社会の在りようを作っていきたいというビジョンを表しています。

このデザインは、テマヒマうつわ旅・クリエイティブディレクターの猫田耳子さんの手によるものです。

ウルシの新芽を食べてみよう!

投稿日:2014年6月6日(金) カテゴリ:うるしるコラム , 会津での漆の植栽活動

漆器の原料である「漆」は、「ウルシノキ」という木の樹液です。
アジアにしか生息していない木で、オスの木とメスの木があります(雌雄異株)。
ちなみに秋に葉が真っ赤になる「ヤマウルシ」とは別の種類で、ウルシノキの葉は黄色に色づきます。

この木が自らの身を守るために生み出した漆液の力は偉大で、素晴らしいコーティング剤&接着剤になります。(漆液は一度固まってしまうと、硫酸などの強い酸や濃アルカリ、アルコールに漬けてもほとんど変化しない素材です。)
この自然の力を日本人は縄文時代から活用し、ウルシノキの樹液は漆器に、実(み)は和ロウソクの原料として使われてきました。
ちなみに、木の中で、唯一「氵(さんずい)」が付く木です(漆)。

そしてこのウルシ、なんと胃腸の薬にまでなってしまうのです。(韓国では、ウルシを漢方として食する文化があります。)

そんなことで、先日、漆畑の中で、実際にウルシを食べてみよう!という企画がありました。

みんなでウルシを食べよう

メインディッシュは、ウルシの新芽の天ぷら!
ねっとりした「たらの芽」のような食感でした。
この「ねっとり」がなんともウルシって感じで、美味でした♪

漆の芽

ウルシの天ぷら

ごはん

好奇心旺盛なメンバーは、これだけで終わらず、その辺に生えてるウルシの若葉や実を取ってきて、これも揚げようと。
しまいには、生で食べ始める猛者も。。笑
僕も食べてみましたが、なかなかのお味で、カブれることもありませんでした。(体の内側はカブれないという話は本当でした。)
むしろほんとに胃腸の調子が良くなったような気がします。気のせいかもしれませんが。^^;

ウルシの芽の天ぷら

さて、こんな楽しい体験ができるNPOが会津にはあるんです。
NPO法人はるなか・漆部会
10年に渡って、市民の力でウルシノキを植栽・育成し、会津産の漆を守る活動をしています。
現在、3ヶ所の植栽地で約900本のウルシノキを育てています。

ちなみに、冒頭でも紹介した「ウルシノキ」は、水はけと日当たりと土壌が良い土地でないと育ちにくく、他の草木に圧迫されると真っ先に枯れていくことから、その生育には、下草刈りなど人がテマヒマをかけてあげることが欠かせません。(ウルシノキは人が手をかけてあげると目に見えて生長が良く、反対の場合には極めて悪いという性質を持っています。)

ウルシの芽を食べよう

漆が採れるようになるまでは、植えてから15年以上かかります。長い道のりですが、老若男女様々なメンバーが集まって、楽しく活動を続けています。
これから、もっと多くの方にボランティアなどで参加いただける枠を増やしていこうと考えていますので、是非、はるなか漆部会のFBページに「いいね!」をお願いします!
https://www.facebook.com/urushibukai

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<2015.5.6追記>

【参加者募集】
NPO法人はるなか漆部会、漆の植栽活動に参加してみませんか?
2015年5月10日(日)AM9時から、今年も御山植栽地で下草刈りと漆の芽の天ぷらを楽しみます。
漆の芽の天ぷらを食べるのは、年に1度のチャンス!
是非、ご参加ください。
持参物は、軍手・長靴・手ぬぐい・帽子です。
場所は、あいづドーム近くです。(千石バイパスを終わりまで進み、あいづドームを左に見て、T字路を左折。さらに進んだ先のT字路を右折して300m直進したところにあります。)

<お申し込み・お問い合わせ>
はるなか漆部会長 照井邦彦
090-­2991-­6178 
ku2.terui@gmail.com

※ウルシカブレについて:漆の液や木に直接触れない限りは、めったにかぶれる心配はありませんが、漆のかぶれやすさには個人差があります。お肌の弱い方や漆かぶれが心配な方は参加をご遠慮ください。自己判断でのご参加をお願い致します。

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案内人について

めぐる/テマヒマうつわ旅
貝沼 航(Wataru Kainuma)

1980年福島市生まれ。大学卒業後に会津若松市に移住。漆器づくりの現場に魅せられ、2005年、伝統工芸の作り手を応援する会社「明天」を設立。2013年から「テマヒマうつわ旅」をスタート。2015年、世代を超えて受け継ぐことをテーマにした新しい会津漆器「めぐる」を販売開始。
「地球のリズムで暮らすうつわ、漆器」の豊かな世界を広めるべく活動中。作り手と使い手を繋ぎながら、大量消費社会を脱却するための「次世代の回答」づくりを目指す。

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