ウルシの新芽を食べてみよう!
投稿日:2014年6月6日(金) カテゴリ:うるしるコラム , 会津での漆の植栽活動
漆器の原料である「漆」は、「ウルシノキ」という木の樹液です。
アジアにしか生息していない木で、オスの木とメスの木があります(雌雄異株)。
ちなみに秋に葉が真っ赤になる「ヤマウルシ」とは別の種類で、ウルシノキの葉は黄色に色づきます。
この木が自らの身を守るために生み出した漆液の力は偉大で、素晴らしいコーティング剤&接着剤になります。(漆液は一度固まってしまうと、硫酸などの強い酸や濃アルカリ、アルコールに漬けてもほとんど変化しない素材です。)
この自然の力を日本人は縄文時代から活用し、ウルシノキの樹液は漆器に、実(み)は和ロウソクの原料として使われてきました。
ちなみに、木の中で、唯一「氵(さんずい)」が付く木です(漆)。
そしてこのウルシ、なんと胃腸の薬にまでなってしまうのです。(韓国では、ウルシを漢方として食する文化があります。)
そんなことで、先日、漆畑の中で、実際にウルシを食べてみよう!という企画がありました。
メインディッシュは、ウルシの新芽の天ぷら!
ねっとりした「たらの芽」のような食感でした。
この「ねっとり」がなんともウルシって感じで、美味でした♪
好奇心旺盛なメンバーは、これだけで終わらず、その辺に生えてるウルシの若葉や実を取ってきて、これも揚げようと。
しまいには、生で食べ始める猛者も。。笑
僕も食べてみましたが、なかなかのお味で、カブれることもありませんでした。(体の内側はカブれないという話は本当でした。)
むしろほんとに胃腸の調子が良くなったような気がします。気のせいかもしれませんが。^^;
さて、こんな楽しい体験ができるNPOが会津にはあるんです。
「NPO法人はるなか・漆部会」
10年に渡って、市民の力でウルシノキを植栽・育成し、会津産の漆を守る活動をしています。
現在、3ヶ所の植栽地で約900本のウルシノキを育てています。
ちなみに、冒頭でも紹介した「ウルシノキ」は、水はけと日当たりと土壌が良い土地でないと育ちにくく、他の草木に圧迫されると真っ先に枯れていくことから、その生育には、下草刈りなど人がテマヒマをかけてあげることが欠かせません。(ウルシノキは人が手をかけてあげると目に見えて生長が良く、反対の場合には極めて悪いという性質を持っています。)
漆が採れるようになるまでは、植えてから15年以上かかります。長い道のりですが、老若男女様々なメンバーが集まって、楽しく活動を続けています。
これから、もっと多くの方にボランティアなどで参加いただける枠を増やしていこうと考えていますので、是非、はるなか漆部会のFBページに「いいね!」をお願いします!
https://www.facebook.com/urushibukai
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<2015.5.6追記>
【参加者募集】
NPO法人はるなか漆部会、漆の植栽活動に参加してみませんか?
2015年5月10日(日)AM9時から、今年も御山植栽地で下草刈りと漆の芽の天ぷらを楽しみます。
漆の芽の天ぷらを食べるのは、年に1度のチャンス!
是非、ご参加ください。
持参物は、軍手・長靴・手ぬぐい・帽子です。
場所は、あいづドーム近くです。(千石バイパスを終わりまで進み、あいづドームを左に見て、T字路を左折。さらに進んだ先のT字路を右折して300m直進したところにあります。)
<お申し込み・お問い合わせ>
はるなか漆部会長 照井邦彦
090-2991-6178
ku2.terui@gmail.com
※ウルシカブレについて:漆の液や木に直接触れない限りは、めったにかぶれる心配はありませんが、漆のかぶれやすさには個人差があります。お肌の弱い方や漆かぶれが心配な方は参加をご遠慮ください。自己判断でのご参加をお願い致します。
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案内人について

漆とロック株式会社(Urushi Rocks Inc.)代表
貝沼 航(Wataru Kainuma)
1980年福島市生まれ。大学卒業後に会津若松市に移住。漆器づくりの現場に魅せられ、2013年より、木と漆という自然の素材の魅力や職人さんたちの手仕事の意味を実際に現場で体感できるガイドツアー「テマヒマうつわ旅」を展開。
2015年、世代を超えて受け継ぐことをテーマにした新しい会津漆器「めぐる」を販売開始。同年、グッドデザイン賞とウッドデザイン賞・審査委員長賞を受賞。会津で国産漆の植栽活動に取り組むNPOの副代表も務める。漆と人を繋ぐコミュニケーターとして、漆器の魅力を伝える講演やイベントも行っている。